テーピングは痛みを散らす効果がある(多用厳禁)
私事、今は慢性的な肩こりや腰痛はないです。
肩こりは20歳の時に無理をして発症。よかれと刺激系を色々試して悪化。歯が浮くし頭痛はするし、常に漬物石が肩に乗っかったような状態でしたが、2007年くらいまでに、刺激系を一切やめることで改善。
腰痛は大学時代のバイトで発症、社会人になったら悪化して、寝ていても痛い腰痛に苦しんだ経験があります。
腰痛もいろいろな経験がありますが、刺激を入れないことと冷え取りの効果で慢性化から抜け出せました。
腰痛では、どこかの院で腰にテーピングをしてもらったことがあります。
この時は、「こんなんで治るわけがない。ばかばかしい。」と、痒さも手伝いすぐはがしていました。
しかし、今は、コルセットより安全で、コリや痛みを散らし和らげる一時しのぎツールとして優れたものと考えています。
ただし、根本要因にアプローチできていないので頼り過ぎてはだめです。
テーピングの役目は?緊張が覆うと辛さが減る現象を考える
当院では、整体チェック法の反応を頼りに、一つ一つ緊張の開放を促して筋膜にかかった緊張を減らしていきます。
病院で異常がない不調の大半は、自律神経がかける緊張が溜まることで起きているので、緊張が減るに比例してお身体がよい方向に変化します。
しかし、中には、緊張を減らす過程で、奥にある強い緊張(真の施術ポイント)が出てくることで、改善が後退したかのような現象が起きる場合があります。
真の痛みの要因(アプローチすべき緊張)が奥に隠れてしまっていた事例
2021/08/18ブログ公開 40代男性の事例
下の写真は、腕が後ろにまわらなくなった男性の施術前の腕の可動域を記録したものです。
3回目と4回目の状態にご注目いただくと、
悪化しているように見えると思います。
初回や2回目より可動域が減少している。
からだ全体としては改善方向に進んでいるのですけど、奥に潜んでいる真の要因である緊張が表面化してきたので、一時的にその当時の可動域になっただけなのです。
その後、さらに緊張が減るに比例して本来の可動域を取り戻していきました。
2016/04/12ブログ公開 30代女性の事例
施術前の確認では、腕は上がるけど45度くらいの角度から痛みを感じ上げにくい状態。
表面を覆う緊張の開放を促し、中間確認で腕をあげてもらうと、
「うっ」と激痛にびっくりして、かばう方向にがらだがよろけました。
痛みで腕が上がらない状態になりました。
その後、さらに緊張をとって、痛みはなくなりました。経過詳細↓
”自律神経が嫌がる外的刺激”により増えた緊張が真のポイントを隠す
からだにマッサージや矯正など刺激を入れると、その箇所へ自律神経は緊張をかけてきます。
これを、『 刺激に対する防御反応 』と呼んでいます。
これは、緊張が溜まるという意味では悪化しているのですが、緊張のかかり方によっては痛点をぼやけさす効果を出している場合があるのです。
上記2名様の事例。 お二人ともバレーボールに励んでおられるのですが、刺激系の療法で痛みが緩和してきたが、痛みはすっきりしないし、可動域が悪いのでご来院していただけました。
施術経過では、防御反応を中心とした表層の緊張が少なくなったことで、その奥にあった真のアプローチすべき緊張が表面化、さらにそれにアプローチすることで本来の状態を取り戻していったわけです。
逆に表現すれば、緊張が増えて状態としては悪くなっているのに痛みは減っていたわけで、辛さが緩和したように感じても、刺激系の療法では、この隠す原理が働いている場合があるので注意が必要です。
テーピングで緊張バランスを変えて痛みを散らす
一時しのぎで辛さを和らげることだけを考えた場合、からだに刺激を入れるのではなくて、テーピングを施すことで同じような効果を得られることが分かっています。
テープに、上記、新たにかかった緊張の役目をしてもらう。
つまり、
テープで『緊張バランス』を変えて『緊張のピーク』をからだの許容範囲に収める
テーピングで緊張バランスをコントロールするメリット
テーピングはからだの防御反応が起きにくい
刺激系のデメリット
- 防御反応による緊張で、いつかはからだの限界が来る
- 習慣性を生む傾向がある
からだの防御反応を考えた場合、コルセットにも注意が必要です。
コルセットは痛い箇所を締め付けるため、からだの防御反応が起きやすく、それによって悪化しているケースがみられるのです。
しかし、テーピングではそれがみられないので、「ぎくっ」となったり、「あやしいな」と感じた時に先ずテーピングを試すとよいと考えています。
ぎっくり腰でお越しのお客様はよくコルセットを装着されていますが、施術では、その防御反応を解くところから始めるのがパターンとなっております。
テーピングの仕方
ここでのテーピング方法は、医療系の理屈に基づいたものではありません。
からだの緊張バランスを操作する目的で、自分自身でおこなった実験やお客様にお試しいただいたヒアリングを元にまとめたものです。
テーピングに適したテープ
今まで使った中で一番良いと感じたのは、
ピップ株式会社
プロ・フィッツ(ProFits)キネオロジーテープ
37.5mm幅×4.5m(伸長時約6.0m)
伸縮性があることが大切です。(伸長時約〇〇m)みたいな表記があるか確認して購入してください。
ピップ製のテープは、私にとってかゆみが出にくく、数日間つけっぱなしで、お風呂に入っても問題がないです。
テーピングの仕方
繰り返しますが、ここでは自律神経理論に着目して、からだの緊張バランスに変化を起こす目的のテーピング方法を解説しています。
ポイントは、
- テープは伸ばさずに貼る
- 痛点(こり含む)範囲より広く貼る
- 基本は、痛点(こり含む)のピークを通す(例外あり)
- 筋肉繊維に沿った方向に貼る
- 腰から下の不調には仙腸関節を意識する
- 首には貼らない
伸ばさずに貼るというところが貼り方のこつになります。
腰上部の腰痛
仙腸関節とは、お尻上部で触ったらポチッと突起があるところです。
痛みや張りの上部から、仙腸関節を覆うところまで貼っていただければと思います。
上半身がスライドする(横にずれる)方向にゆがむ方は、左右の長さを変えて試してみてください。
仙腸関節痛
仙腸関節の痛点が小さくても、仙腸関節の上だけに貼るのではなくて、背骨の横にある筋肉群が脊柱起立筋と呼ばれているみたいですが、起立筋にかかるところから下に伸ばしたほうが良いです。
仙骨痛
腰痛全般にかかわっている点として、仙腸関節周囲の緊張があります。
仙骨痛の場合、仙腸関節に着目した貼り方で痛い範囲の両端をサンドするとよいと思います。
骨盤の外寄りの腰痛
まず、外側の痛い箇所に縦に貼っていただいて様子を見て、しのぎにくい場合仙腸関節をまたぐように追加を貼ってみてください。
坐骨神経痛のような辛さ
太ももやハムストリングスの張りや痛みを覆う一本と仙腸関節を覆う一本の二本を貼って様子をみてみる。必要であればふくらはぎとかも試してみる。
肩こり・肩の痛み
首にはかけずに広い範囲で覆ってやるとよいです。
弊害は少ないので、一時しのぎとして、腕などもいろいろ試してみてください。
以下リンクの操体法と併せて試していただけるとよいと思います。
「気づいたら楽になっていた」って、改善を感じても根本の取るべき緊張が減っているわけではないので、テーピングに頼りすぎないことが大切です。
現在進行形のストレスが深くかかわるストレス痛にはいづれも効かない可能性があります。
緊張のリセットでからだの許容範囲に余裕を作っておくことが大切です。
そのタイミングなどについては、以下のリンクをご参照ください。
岡山市・整体院 ほぐし庵
Address : 岡山市南区築港新町2丁目11-10